研修参加を報告した企業は23.6%
生成AIの利用開始後に整えたいのが、従業員が仕事で使うための社内研修です。OECDが2025年11月5日に公表した「Generative AI and the SME Workforce」は、利用と人材育成の状況を調べています。
調査全体は日本を含む7か国の5,232社が対象です。従業員249人以下で、1人企業も含みます。主な調査期間は2024年10月14日〜12月6日。経営者など、その会社の技術利用を把握する担当者への電話調査で、2026年現在の利用状況を示す数字ではありません。
生成AIを使う企業のうち、従業員がAI関連研修に参加していると答えた企業は23.6%でした。これは従業員の23.6%が受講したという意味ではありません。企業単位の回答であり、研修の人数・時間や修了後の能力を測った結果でもありません。
社内ガイドラインの整備は28.6%
生成AI利用企業で、従業員向けの利用ガイドラインがあると答えた割合は28.6%でした。研修への参加とルールの整備は別の質問です。両方を実施した企業の割合は、この2つの数字だけでは分かりません。
公表値は国・業種・企業規模などの構成を考慮し、従業員数ではなく企業数に基づいて重み付けされています。調査全体の5,232社をそのまま23.6%の分母にして、研修を行った社数を逆算することもできません。
この調査は担当者の自己申告です。研修を行えば生産性がどれだけ上がるか、誤回答がどれだけ減るかを実験で確かめたものではありません。自社では利用ルールがあるかに加え、そのルールを実際の仕事で使えるかを点検します。
架空の業務例で判断手順を練習する
社内研修では、便利な指示文の紹介に加えて、入力してよい情報、出力の根拠、人へ引き継ぐ条件を、業務に沿って扱います。ルール文書と同じ事例を使えば、どの条件を指しているかが伝わります。
操作を教える担当者と、業務上の判断基準を決める担当者も整理します。参加者が営業・サポート・管理部門で異なるなら、使う資料と承認が必要な場面を、それぞれの仕事に合わせます。
例えば問い合わせ対応なら、実在する顧客の履歴を転用せず、架空の商品・契約・質問を用意します。個人情報を含む入力、根拠資料に答えがない質問、担当者の承認が必要な依頼を分け、入力を止める場面と回答を採用できる場面を練習します。
受講後は、回答を作れたかだけでなく、どの資料と照合し、どこを修正し、判断できない点を誰へ渡したかを振り返ります。迷いが残った箇所はルールや業務資料の修正へ戻します。ツールや契約条件が変わったときも、影響する事例から内容を更新します。
情報確認日:2026年10月27日。数値はOECD公表値の紹介で、独自アンケートではありません。23.6%・28.6%の対象は生成AI利用企業です。第3節はKIRIKOMIによる研修の構成例で、研修効果を実測した事例ではありません。
