通販で買った商品をキャンセルしたい。問い合わせ先のAIが「この画面から申請できます」と教えてくれれば、次に何をすればよいか分かります。
でも、商品を選び、申請を送り、結果を確かめるのは自分です。最近のAIは、手続きの実行まで担う方向に進んでいます。便利になる一方で、任せ方も少し変わります。
案内するAIと手続きを進めるAIの違い
よくある質問に答えるAIは、手続きの方法や条件を案内します。手続きを進めるAIは、それに加えて必要な情報を集め、許可された範囲で変更などの操作を行います。こうした仕組みは「AIエージェント」と呼ばれています。
Zendeskの公式説明でも、AIエージェントは会話だけでなく、許可されたシステムで操作を行えるとされています。ただし、導入すれば何でも頼めるわけではありません。使っているサービスや設定により、任せられる範囲は異なります。
利用者にとっては、「やり方が分かった」で終わるのか、「手続きが済んだ」まで進むのか。この違いが大切です。
キャンセル前の対象確認
通販で複数の商品を注文した場合を例にします。「注文をキャンセルしたい」という言葉だけでは、全部なのか、一つの商品だけなのか分かりません。
AIがすぐに取り消してしまうと、残したかった商品までキャンセルされるかもしれません。「この商品のみをキャンセルしますか」と確かめるひと手間が、安心につながります。
実際にZendeskは、担当者を支援するAI機能の例として、注文内容を調べ、対象商品を確かめ、担当者の承認を受けてキャンセルと返金を進める流れを紹介しています。顧客と直接会話するAIが、すべてを自動で行うという意味ではありません。
大切なのは、返事が自然かどうかだけでなく、何を変更するのかが実行前に分かること。完了後にも、受け付けただけなのか、変更まで終わったのかを区別して伝える必要があります。
AIと担当者の役割分担
最初から、問い合わせの全工程をAIに任せる必要はありません。用件や注文番号を集めるところまでをAIに任せ、その後は担当者が判断する形もあります。Zendeskにも、必要な情報を集めて人へ引き継ぐ設定例があります。
特に、希望が曖昧なときや、通常のルールでは判断しにくいときには、人に相談できる道を残しておきたいところです。
AIの便利さは、人が一度も関わらないことだけでは測れません。利用者が同じ説明を繰り返さず、確認すべきところで確認でき、望んだ結果にたどり着けること。まずは一つの手続きを選び、「どこまでAIに任せ、どこで人が確かめるか」を考えると、活用のイメージが具体的になります。
